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世界遺産 京都 醍醐寺

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醍醐寺からのお知らせ

岩手県宮古市における「醍醐の桜」の植樹式ならびに護摩法要のご案内

宮古市浄土ヶ浜 総本山 醍醐寺

津波で壊滅した防災の町~宮古市田老地区で開催する意義

宮古市田老地区は「津波太郎(田老)」の異名を持つほど、古くから津波被害に悩まされ、1611年の慶長三陸地震津波、1896年の明治三陸津波、1933年の昭和三陸津波では、いずれも甚大な被害に見舞われました。このような度重なる津波被害を経て、地区では集落の高所移転が再三にわたって検討されましたが、敷地確保の問題などにより計画は頓挫しました。

そこで考えられたのが防潮堤建造を中心とした町づくり計画でした。1934年に工事が開始され、1958年に最初の防潮堤が完成。直後の1960年にチリ地震津波が起きましたが、この堤防によって被害は軽微にとどまりました。その後も増築を続け、工事開始からおよそ半世紀後の1982年に、高さ10m、総延長およそ2.5kmのX字型巨大防潮堤が完成し、田老町は「防災の町」として全国に知られるようになりました。しかし、東日本大震災に伴って発生した津波で、約500メートルにわたる海側の防潮堤は一瞬にして倒壊。市街中心部に進入した津波により市街は全壊状態となり、地区の人口4434人のうち200人近い死者・行方不明者が出ました。田老地区の被害状況は、今回の津波の恐ろしさを極めて如実に物語っています。



時代を超え、災害復興への祈りを捧げてきた京都醍醐寺

総本山醍醐寺は、弘法大師の孫弟子、理源大師・聖宝により874年に創建されて以来、真言宗醍醐派の総本山として日本の宗教・文化・政治において大きな役割を果たしてきましたが、その歴史は自然災害と浅からぬ関わりをもっています。
世に聞こえた秀吉の「醍醐の花見」は、伏見城も大破した「慶長伏見地震」で被災した近親者を励ます意味合いもあったと考えられています。今回植樹される桜は、まさにその秀吉が愛でた「しだれ桜」を組織培養しつくられたクローン桜で、春が巡り来るたびに往時の盛大な花の宴を髣髴とさせるとともに、希望という花を咲かせ、人々の心を和ませてくれることでしょう。

また、今回行われる柴燈護摩法要は醍醐寺を開いた理源大師・聖宝が初めて行ったといわれ、様々な護摩の中でも最も由緒ある儀式です。これは真言宗系の修験道(醍醐寺三宝院門跡は修験道当山派の総本山)における奥義と言われ、厳しい修行の中にあってはじめて体得できるものであるため、柴燈護摩法要を目の当たりにする機会は極めて稀です。
海と岩の織りなす諧調が美しい名勝・浄土ヶ浜で行われるこの法要は、とりもなおさず自然の造形と伝統ある儀式という、有形無形の文化遺産が邂逅する得難い機会となります。紺碧の海を臨む白い砂浜で、醍醐寺の大勢の僧侶による読経のなか焚かれる護摩は、人々を自ずと深い祈りの世界へと導くとともに、今、改めて鎮魂の祈りを捧げ、今を生きるすべての「命」への感謝を護摩の火に託します。

開催概要

【開催日】  平成24年5月27日(日)

◆「醍醐の桜」植樹式

1598(慶長3)年に豊臣秀吉が花見に際して700本の桜を植え、盛大な宴を開いた「醍醐の花見」は長く世に伝えられています。今から約400年前に秀吉が愛でたしだれ桜、その子孫の桜を津波で壊滅的な被害を受けた宮古市田老地区の2ヶ所、ならびに名勝・浄土ヶ浜を望む陸中海岸国立公園・臼木山に植樹致します。

 

会場   岩手県宮古市

①グリーンピア三陸みやこ 9:30~9:45

②田老総合事務所 10:15~10:30

③陸中海岸国立公園・臼木山 11:00~11:15

 

◆柴燈護摩法要・火生三昧火渡り荒行

「護摩」とは、ご本尊様の御前に壇を設け、檀木(だんもく)と呼ばれる特別の木を焚き、諸々の願いの成就を祈る真言密教の秘法です。護摩の火に象徴される不動明王の智慧の力によって、私たちの心の奥底にある煩悩を祓い清めます。 醍醐寺の僧侶による読経の中焚かれる護摩は、時空を超えて私たちを祈りの世界へと導きます。今回は特に火伏せと言う作法を経て、行者が火渡り・火生三昧を行い、その後に一般の参列者に渡っていただきます。

 

会場】   岩手県宮古市・奥浄土ヶ浜 

14:00開会 16:00終了予定 

※時間は若干変更する場合があります。

※参列者の火渡りが終わり次第終了致します。

 


柴燈護摩法要 火渡り

總本山 醍醐寺

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